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地方自治法第121条による出席者
佐賀市長 西村正俊 助役 富永貞夫
助役 佐藤直良 収入役 木原忠光
総務部長 野口 健 産業部長 百武康邦
建設部長 江頭正迪 民生部長 井原 輝
福祉事務所長 嶋 栄 交通局長 小林克己
水道局長
内堀弥太郎 ガス局長 仁位次治
消防長 八田国信
教育委員長 野村綱明
教育長 山田清人 監査委員 原 勝巳
農業委員会 選挙管理委員会
石橋正光 藤田俊秀
事務局長 事務局長
○議長(山下勝)
これより本日の会議を開きます。
昨日に引き続き、市政一般に対する質問を続行いたします。
◆(
江島徳太郎議員)
皆さんおはようございます。通告に従い、
佐賀球場問題についてお尋ねいたし、市当局の考え、構想についてお聞きいたしたいと思います。
トップバッターでございますので、
セオリーどおりトップバッターはどうしても出塁しなきゃならない責任と義務がございますので、先輩議員さんのひとつ御声援をお願いし、また、出塁できる、盗塁できる御答弁もあわせてひとつお願い申し上げたいと思っております。
佐賀球場については、既に何回となく浮上し、野球界においても話題に上り、県、
市スポーツ界、
一般市民層、
周辺地域住民の間でも幾度となく論ぜられてきた問題であります。近年の議会でも取り上げられ、特に、昨年の3月と12月の御厨議員の
南部開発構想の一般質問の中でも、移転を含めた跡地の
活性化対策に鋭く迫っておられた経緯もございますので、私の今回の質問はタイムリーであると考えまして、球場問題1点に絞り、お聞きいたしたいと思います。
第1点は、現状の球場の拡張整備は今後考えられておられるか。第2点は、今の
佐賀球場を残して、新たに第2球場を考えておられるか、その点をはっきりいま一度お聞きいたしまして、第3点の焦点である移転やむなし、移転が必要だとお考えならば、新球場の考え、構想をお聞かせ願いたいと思います。
既に昨年3月の議会での答弁では、西村市長はまだ具体的な対策、対応策は持ってないが、研究課題として取り組みたいとの、移転やむなし、移転必要であるとのニュアンスで答弁され、それを踏まえて昨年12月の議会での
野口総務部長は、「既に下部組織と上部組織の2段階で発足している
球場跡地の整備構想の中で、移転を含み
佐賀球場は
地域スポーツ施設として全庁的に検討してまいりたい」との答弁で、既に佐賀市
総合計画10ヵ年の中に
市民スポーツの森構想の推進を上げられており、ゴーサインは既に出ているものと私は思うのであります。
既に平成4年度の6月期になっておりますが、このように当局の全庁的な考え、構想としては、
南部開発構想の枠組みの中で球場は移転を行い、
地域スポーツ施設構想として変身したい考えで、既にはっきりと公式に上部組織としても構想は固まっているのか、定まっているか、まずもってその辺のことも鮮明にしていただき、第1回の質問といたし、当局の明確なる答弁をお願いいたします。
◎
総務部長(野口健)
おはようございます。新球場の建設構想についての御質問でございますが、まず
佐賀球場の改築、移転、新設等に関する内容であったかと思いますが、まず、
佐賀球場の現状を申し上げますと、現球場は昭和34年に建設しておりまして、もう既に33年を経過しているような状況でございます。この間、
高校野球を
中心こ職域、
市民グループ等の一般球場として利用されておりまして、その数も年間130件、350試合以上の利用が行われているようでございます。規模としては両翼93メートル、本塁、
センターフェンス間113メートル、観客の収容能力は内外野合わせて約1万 2,200人分となっております。
御指摘のとおり、他の球場に比べると、ちょっと狭いわけでございまして、
プロ野球の公式戦の開催誘致になると非常に困難な状況にあるわけでございます。したがいまして、現地において球場の改築という問題があるわけでございますが、現在の敷地が2万 9,100平方メートルということで、ちょっと狭いこと、それから御承知のとおり、周囲には住宅が密集しているところから、さらには
交通アクセスの問題等から、現在の場所では改築は困難ではないかというふうに考えております。
そこで、別の場所への移転の問題が生じてまいるわけでございますが、
市民球場として、本来どういった機能が求められているのかといったことを考えてみますと、その一つには、市民の健康増進とか、生涯
スポーツの振興といった面での機能と、もう一つは、
プロ野球等の
公式戦開催を誘致すると、これが
地域活性化にもつながってくるわけでございますが、こういった面での機能が考えられますが、このうち生涯
スポーツの振興という観点からは、新
総合計画においてもうたってますように、現在、市内数ヵ所に
地域スポーツの拠点となる施設を整備を進めることにしておりまして、その一つがつい先ごろ完成いたしました兵庫の
スポーツ・アンド・
コミュニティプラザ、それからまた、現在行っております
西与賀小学校跡地の整備であろうかと思います。また、
学校体育施設の開放という観点から、4学校への照明塔の設置も年次的に進めておるところでございます。
今後、
市民球場に求められるのは、
高校野球や
プロ野球が誘致できるような、グレードの高いものになるのではないかというふうに考えております。
それから、また一方、県の方でも
県営球場の建設が考えられているようでございまして、この内容についてはまだ、また建設年次、内容等についてはまだ明確になっておりませんが、今後の
市民球場のあり方につきましては、この
県営球場の
建設予定規模等の動向を見ながら、県と十分な協議を行い、本市としての考え方を整理し、移転を含めて考えていかなきゃならないのではないかというふうに思っております。
それから、また一つ、御指摘のように庁内におきましても、
佐賀球場の移転を含めた整備構想、それから、跡地の
戦略的活用策についての
検討委員会を設けておりまして、実は、この議会が終われば、早々にでも第1回目の会合を開きたいということでございますので、まだ、具体的に構想というのを検討しておりませんので、今後の問題かと思いますが、早急に開催したいというふうに考えております。
◆(
江島徳太郎議員)
御答弁ありがとうございました。ただいまの答弁で、
佐賀球場は移転すると。廃止するのではなく、別の場所でも新球場をつくるという明確な答弁であり、旗は振っておろされたと、
スタート台に立ったと解釈をするものであります。
佐賀球場跡地を拠点にした我が佐賀市の
南玄関活性化構想をさらに前進、スピードアップのためには球場移転は大変結構なことでありますが、球場移転問題を固めて
跡地整備構想を前進させると同時に、並行して新球場の課題を検討せねばならないと思います。なぜならば、球場を解体して、それから、新球場計画に取りかかるという
足踏み状態では、まずないと思いますが、
スロー計画にもしなるとすれば佐賀市行政の
イメージダウンは必至でございますから、球場解体と同時に新球場は開設、オープンという同時スタートできる構想で、球児の、球界のイベントに支障のない基本計画を望むものであります。
佐賀球場はただいま申し上げていただきましたが、平成2年度の使用状況でも
年間利用件数136件と、利用日数125日、試合数が365回にも及んでおりまして、1年のうち、冬場は別といたしましても、1年トータルで考えますと、毎日試合があっているという状況で、専属球場でこれだけ大変親しまれており、それだけ他の施設、グラウンドより県内では唯一の県都の球場であり、この球場でプレーするのが球児の、草野球人の
アマチュア野球人の誇りでもあったわけでございます。その球場が解体されて数年間、県内の他球場でも、もしプレーをせねばならない状況になった場合、これだけの
年間利用状況をどこかに張りつけるか、大変混乱を招き、野球界、
スポーツ界、市民各階層の不信と不満は予想できるわけでございます。
当局は、
地域スポーツ施設として
市民スポーツの森に球場を初め、他の
スポーツ施設を複合的につくられる構想なのか。
スポーツの森の
ビジョン構想全体像をどのように考えておられるのか、今日までの関係各課の集約があれば、第1回でも少し触れられていただきましたけども、お聞かせいただきたいと思います。
また、聞くところによれば、県内の
市営球場は鹿島市を除き6市が持っており、今春開設している
嬉野町営みゆき球場が県内球場では最も広く、4万 1,700平方メートルの敷地でございまして、本塁、センター間は125メートルと、本塁、両翼間は100メートルでございまして、
収容人員最大2万人となっておりまして、森林公園内の
県営球場の計画案は、野球場全体の敷地はまだわかっておりませんけれども、本塁、センター間は120メートルにしたいと、本塁、両翼間は100メートルに持っていきたいと、収容人員は
嬉野みゆき球場と変わらない2万人規模であるということでございまして、ただ、着工まではあと六、七年は最低かかるだろうと、10年以上かかるかもわからないと、こういうお話も聞いておりまして、そういう見通しであります。
我が
佐賀球場は御承知のとおり、開設以来37年間の長きにわたり使用されておりまして、ただいまお話がございましたとおり、2万 9,102平方メートルの敷地で、本塁、
センター問は113メートルと、本塁、両翼間は93メートルと大変狭く、
最大収容人員も多くて1万 5,000人ぐらいの収容人員で、
ナイター施設、駐車場が整備できない環境下にあり、目覚ましい発展をしている近代野球についていけない現状でもあります。このことは関係当局も十分御承知でありまして、先ほど第1回の答弁でもありましたとおりでございます。
今日までの話題としていつも
佐賀球場につきましては上っておりまして、また問題点として取り上げられてきたところでございますが、
南部開発構想策定以来、
佐賀球場をどうするか、このまま眠らせてしまうのか、上部組織並びに全庁的な見解としても、跡地開発の必要性は現実として結論に達していると判断するものでありますから、
球場跡地の基本構想を
南部開発構想の中で前向きに、積極的に早く打ち出さなければ、
市民スポーツ森構想は現実構想として浮上できないと思うのであります。
私は、
球場跡地問題と
市民スポーツ森構想は
佐賀球場の今日までの果たしてきた役割から見て、切り離してとらえることなくドッキングさせながら、新球場は
市民スポーツの森構想の中ではっきりと位置づけ、核になるような全国の
専用野球場に負けない企画をお願いするものであります。
県が拡大される森林公園の久保田町側に位置する場所に
県営野球場を打ち出したやさきでもござします。
市営球場は萎縮するおそれもあります。
市民スポーツの森構想の中で、ややもすると、他の
スポーツ施設のバランスから、またはしわ寄せから、単なる
地域スポーツの枠組みの中でとらえることになれば、新球場は現在の球場の規模か、縮小された球場になるか、
県営球場におんぶされた格好に成り下がるか、
スポーツ森構想の企画力に大いに期待するものであります。
県営球場の目的は何か、
佐賀球場の本当のねらいは何か、県の真意もお聞きしながら、協議、調整も必要と思いますが、県がどういう目的、利用を考えてつくるにしても、遠慮することなく、長い問親しまれた
佐賀球場は、佐賀市が新球場をつくるというコンセプトでなければ、
市民スポーツの森の中でただ一般的な
マイナー球場をつくるという考えでは、新球場は
イメージダウンとなるであろうと思います。
佐賀市は日本一の球場をつくるんだと、
プロ野球のフランチャイズまではいかなくても、
プロ野球の
公式戦誘致にも条件面では合格できる
ナイター施設と広大な駐車場など確保できる新球場をつくるんだと、そういう意気込みで
スポーツの分野でもある
熱気球大会の日本一とあわせ、日本一の
市民スポーツの森の球場をつくり、佐賀市に行けば、静と動のバランスのとれた
ビッグイベントスポーツとして興奮と熱狂のドラマを呼び、球児が、若者が、市民が単なる
レジャースポーツとしてばかりではなく、青少年の健全育成と生涯学習活動の面から、さらには
全国レベルにも通用する全国制覇もできるという
県内野球レベルアップにも陰ながら大きく頁献することはまことに意義深いものになると私は思うのであります。
西村市長さんいかがでございましょうか。
総合計画10ヵ年の構想である
市民スポーツの森の計画の中で球場構想はどういう企画であるか、平成12年の目途の中で、余すところあと8年しかありません。単なる構想から
基本計画構想へとステップせねば間に合わなくなるのでございます。
球場跡地開発年次と新球場の
開設目標年次とマッチさせながら、急ぐ必要があると思います。
県営球場より先に開設できる企画を願うものであります。
再三申し上げますが、先ほど
総務部長さんもぜひとも議会が終わった後、この話し合いに入りたいと、こういう御回答もありましたが、
市民スポーツ構想の森の実現性のある基本構想と青写真について、深みのある一歩踏み込んだ御答弁を
野口総務部長と西村市長にお願い申し上げまして、第2回の質問といたします。
◎
総務部長(野口健)
江島議員の2回目の御質問にお答え申し上げます。
おっしゃいましたように、新
総合計画の中では、市民の多様な高度なニーズにこたえる総合的な施設として、
市営佐賀球場については移転を含め、
市民スポーツの森構想を推進するというふうにうたっておりまして、今日の社会情勢との変化、
市民ニーズの多様化、高度化等を踏まえながら、
市民球場に求められる機能等について、先ほど申し上げましたように、こういったことを検討するために
体制づくりを行っておるわけでございますので、今後その中で今後の球場の問題を十分に考えてまいりたいというふうに考えております。
その中で、やはりどうしても
県営球場との役割分担は考えていかにゃいかんわけでございますので、それの動向を見ながら、さらに先ほど申し上げましたように、
市民球場として今後求められるのは、
高校野球や
プロ野球にターゲットを絞った、よりグレードの高いものになるという、そういう基本的な考え方を持ちながら進めてまいりたいというふうに考えております。
◎市長(西村正俊)
基本は、ただいま
総務部長から答弁したとおりであります。
佐賀市営球場の移転を含むあり方の検討につきましては、そもそもの発想から申しますというと、今の
市営球場の周辺の都市化の密度が高まりまして、拡張の余地がないということ、あるいは今のあの地の状況から、あの場所に
市営球場があるということがいいのかどうかというところが発想の原点であります。
そこで、佐賀市の
南部開発構想の中で、特に、佐賀大学という大きな文教施設の周辺の整備を含めて、南の方の開発整備をどうするかという目の前の問題があるわけでありまして、その解決のためにも、あの場所に
市営球場があるというのは、どうも適当じゃないというのが大方の考え方であります。そうなりますというと、移転先をどうするか、移す先をどうするかというのは、当然論議の的になるわけでありまして、移った先の場所の確保、そして、あわせて移った先の
市営球場を含めた周辺のあり方の問題等は当然議論されなければならないのであります。それが今御指摘になりました市民の森、
市民スポーツの森と申しますか、そういうものになってくるのであります。
そこで、論議は先ほどから
県営球場との兼ね合いの問題があるのでありまして、これもまだ、いわば私どもにとりましては話題の段階であります。久保田町得仏という話が伝っておりますけども、今お話がありましたように、今すぐできるという、そういう状況にはないようにも聞いております。しかしながら、これができるということは確かなことでありますので、それとの機能分担を、やはりこれは考えなきゃならないのであります。いわば隣同士に等しいところに同じ機能を持った球場が二つあるということは、これはだれが考えても二重投資でありまして、よろしくないわけでありますので、そういう配置の問題を含めまして、機能分担をどうするか。ただ、今お話がありましたように、今の球場を機能を縮小した形で移転するということは、さらさら考えていないのであります。今日まで果たしてきました今の
市営球場の役割から考えましても、それから、これからの
スポーツ人口の増大から見ましても、今の機能を落とすということは、これは考えられないことでありまして、あくまでも今の球場をさらに
グレードアップにしたものになるということは、これは確かな線ではないかと私は確信をしているわけであります。
そこで、問題を具体的にこれをどのようにまとめるかということは、まだ極めて内部的な段階の議論の段階でありますので、ここで申し上げるわけにはまいりませんけども、申し上げる時期ではないのでありますけども、いずれにいたしましても、佐賀の都市機能を考え、
スポーツのあり方を考えながら、この
市営球場の問題を詰めていくと、詰めていかなきゃならないと、このように考えているわけであります。
したがいまして、この問題は大きな問題でもありますので、当然議会の皆様方と十分御相談をしながら進めていくということにいたしたいと思います。
◆(
江島徳太郎議員)
それぞれの御答弁ありがとうございました。とにかく移転をして、
県営球場の動向を見ながらといいますか、そういったことで、
プロ野球でもできるような球場をつくりたいという意欲ある答弁もしていただきましたですし、市民の森構想につきましてもこれからだと思いますけども、一刻も早くひとつ協議をしていただきたいというふうに思うわけでございます。
そういうことで、私の要望として最後にお聞き取りいただきたいと思っております。次回には、ぜひ実現に向かって前向きに年次目標を立てた基本計画と、新
球場候補地などの調査に関する
予算化あたりもですね、お示しいただいてもらいたいと思うのでございます。そのためには、当局内での上部組織、
下部組織段階並びに関係各課の意見調整を図りつつ、県内外の視察なども積極的にしていただきまして、研究会とか
専門委員会などを設け、基本構想と青写真のたたき台を練り上げていただきまして、体育団体、
スポーツ界、野球界、
スポーツ審議会などでも広く意見を求めて、一年でも早く、
県営球場の動向を見ながらというお気持ちはわかりますけども、
県営球場を横目で気にすることなく、
県営球場よりも早く着工できる日本一の球場を、日本一と言われる
スポーツ森の構想の実現に向かって、西村市長の決断と決意を特に御期待申し上げまして、私の質問を終わります。
◆(
中村薫議員)
では、通告に従いまして質問をしてまいりたいと思います。
最初に、
寝たきり老人、
痴呆性老人に対する介護者への対策について、何点かお尋ねをいたします。
高齢化社会に突入した今日、年ごと、月ごとに高齢者の数は当市においても確実に増加をしております。厚生省の統計によりますと、平成3年度
高齢者世帯の調査では、前年比は51万 6,000世帯、12.3%の増加であり、当市は、その最先端を行っているのであります。
現在、65歳から74歳までの
前期高齢者、すなわちヤング・オールドの寝たきりの数は、人口 1,000人に対し6.9人、約7人の割合であります。75歳以上の
後期高齢者、オールド・オールドの場合になると、その度合いは35人ということになり、当市にも施設入院まで含みますと 1,000人近い寝たきりの方たちがおられ、その中で
在宅介護の方法をとっている方たちは500人は突破しているのであります。そこには施設に入りたくともベッド待ち、あるいは本人の希望で、自宅での
在宅介護という形の人たちが年々増加をしている今日でもあります。そこには、それを介護する人たちは大変な苦労を強いられるのでありまして、中には介護で転職、辞職、休職など、仕事に支障を来した方も数多くあり、過重負担を背負い、限界に来ている方たちも数多くおられます。
また、その介護者の性別は女性が80%と圧倒的に多く、続柄も嫁、配偶者、娘、息子となっており、長時間の拘束が毎日続き、夜も二、三回起こされるため、体の疲れ、精神的な不安と苦痛を訴える介護者がほとんどであります。
また、介護を受ける側からすれば、配偶者に介護を受けたいとの願望がありますが、その配偶者も高齢であれば、日々世話をするということは無理な話であり、どうしても嫁、娘となっていくわけですが、これも社会の進展に伴い、女性の社会参加が進み就労率も高くなっており、女性は女性としての生き方もあります。さらには家族制度だけでは無理な時代を迎えております。これでは娘、嫁に介護を頼むということは、より困難な状況をつくり出していると言わねばなりません。
こうした中で懸命に
在宅介護を続ける家庭、あるいは介護者を激励し援助の手を差し伸べることについて、当局はどういう見解と対策を持っておられるのか第1点としてお伺いをいたします。
2点目として、介護者に対する相談窓口についてであります。
今議会に
相談員設置の予算が計上され、正確には議案質問になろうかとも思いますが、しっかりした内容にしていただきたく、お許しを願って質問をさしていただきます。
介護者が少しでも自分の苦痛を和らげるため、精神面、物質的な援助を申し込みたい、そうしたときに、それを受けとめて、介護者に対し適切な助言、援助ができる窓口にしていただきたいと思います。
寝たきり老人のためにどういう事業があるのか、
在宅介護の3本柱としてある制度の活用方法や、はたまた一般的なよろず相談、あるいは専門家による相談まで考えてあるのか、相談窓口の内容をお伺いいたします。
3点目、
ぼけ予防教室の開催についてお尋ねをいたします。
当市では、高血圧や肝臓病、貧血、がんといった予防教室は年に何回か行われておりますが、ぼけ予防は専門的にはないようであります。ぼけを予防する上で、その知識を幅広く市民へ浸透させるべきであり、予防を目的として、例えば福岡市等でやっているような、ぼけ教室の開催であります。専門医らを講師に、ぼけの原因となる脳の話や高齢者の運動、食生活などを内容に、講座や実技による指導を年に数回でも結構ですから、常時開くべきであります。こうした事業に取り組むことにより、ぼけ老人を少なくし、家族や介護顧者への負担の数を減らす予防策を考えるべきであります。
ぼけ予防教室の開催についていかがお考えか、お伺いをいたします。
4点目、小・中学校に福祉副読本の作成についてお尋ねをいたします。
高齢化社会への対応は、単に高齢者の問題にとどまらないということを認識しなければなりません。
高齢化社会イコール老人福祉ではないのでありまして、これからの20世紀の社会を支えるのは青年であり、子供たちであります。スウェーデンのエレン・ケーは20世紀は児童の世紀だと、その著書の中で叫んでおりますが、子供たちが健やかに、どう育つかが非常に重要なつながりを持ってくることになります。
今子供たちに指摘されている非行、ゆがみといったものは、親やその社会に責任があります。子供がどう育つかは、子は親を選択できないわけですから、親の責任もさることながら、児童福祉法の理念に基づくならば、親だけでなく、すべての子供たちを行政において責任を持つということが言えます。特に、今の子供たちは対人関係能力の脆弱化が指摘されております。さらには出生率の低下により、65歳以上の高齢者を支える数字を見ましても、1987年には6.3人に1人だったのが、これから2021年には2.5人で支えなければならない時代が参ります。
こうしたことを考えますと、子供たちに高齢者についての正しい理解を促すとともに、共感と連帯感を育てるための副読本を作成し、そうした教育を行い、心豊かな、また、対人関係にも積極的な豊かさを持つ学校教育をも必要ではないかと思います。時代の変革をひとつキャッチしていただいて、当市の教育委員会としても福祉副読本の作成をすべきと思いますが、教育長の見解と対応をお伺いいたします。
次に、市民カードの創設についてお尋ねをいたします。
昨年6月議会においても、総合福祉カード、健康カードということで質問をさしていただきましたが、一向に前進がありませんので、今回は
総務部長に市民カードとして質問をさしていただきます。
その前に、一言感謝の言葉を申し述べておきます。それは、5月より実施されておりますテレホンガイドの導入であります。市民サイドに立った行政のサービスが導入され、市民の皆さんは大いに助かると喜びの声が出ております。これも
総務部長の素早い対応、実施への決断に対し、提案者として心より感謝を申し上げます。また、市民カードも即断と実行でもって実施されんことを念じて質問をいたします。
出雲市の岩國市長のアイデアで始まったこの健康カードは、今や国会でも国民の福祉健康増進に関する提言として取り上げられ、厚生省も全国の自治体で実施されている資料収集に動いております。光カードの普及を推進する日本医療用光カード研究会普及会の会報を見ましても、全国各地の地方議会で本格的な議論が盛り上がっていると報じております。
今般、私は大分県佐伯市の佐伯市民ICカードの調査をいたしましたところ、この1枚のカードで行政サービスが受けられ、健康管理や緊急時の医療にも役立つという多目的カードを独自で開発しております。基本システムは、1、行政窓口、2、健康管理、3、緊急支援、4、診療支援の四つのサービスから成っており、例えば、行政窓口はカードを提出することにより、住民票、所得証明書、あんま券など必要な書類が取得でき、窓口での申請書書きなどの煩わしさが解消されることになります。また、カードには血液型、アレルギー歴、過去3年間の健康診断の結果なども入力されており、市の健康相談の折の適切な保健指導も受けられます。さらには、急病や事故の際の基礎データとしても活用されるものです。
これからの
高齢化社会や住民福祉を考えますと、新しい時代にマッチした総合市民サービスシステムとして不可欠なものと考えます。当市としても先進地に人を派遣して、机上の調査でなく、実地に調査をするとか、開発プロジェクトをつくって当市に合った独自のシステム開発を行ったらと思いますが、当局の御見解をお伺いいたします。
その他ですが、市長へ1点お伺いをいたします。
佐賀城周辺整備でありますが、先ごろ国の第2合同庁舎建設が佐賀市の職員駐車場跡地に建設が決まったと聞いております。それに伴い、城内にある佐賀地方気象台などが移転するということですが、これら国有地の跡地の有効利用はどう考えておられるのか伺います。
佐賀城周辺整備構想ということで、市民に対しても広くPRもしてこられましたが、この整備構想に関連して、この跡地は必要な場所ではないかと思います。市としては譲り受ける気持ちはあるのかどうか、また、あるとすればどういう利用方法を構想して持っておられるのか、あるいは内々決まっていることでもありましたら、お教えいただきたいと思います。
第1回の質問を終わります。
◎
福祉事務所長(嶋栄)
中村議員の御質問にお答えいたします。2点ほどあったろうかと思っております。
まず、第1点目の寝たっきり、
痴呆性老人の対策についてというようなことでお答えいたします。
まず、高齢者福祉対策については多様な施策を実施しておりますが、その中で当面の大きな問題は、寝たっきり老人と
痴呆性老人の対策が最重点課題ではなかろうかと思っております。ちなみに、本市におきましても平成3年7月の調べによりますと、在宅で寝たっきりの老人が316名ほどいらっしゃるわけでございます。この中には痴呆性の方も含んでおります。このため、高齢者保健福祉推進10ヵ年戦略、いわゆるゴールドプランの在宅福祉対策の緊急整備事業を最重要施策と位置づけまして、積極的に今取り組んでいるところでございます。特に、在宅3本柱でありますホームヘルパー派遣事業、デイ・サービス事業及びショートステイ事業につきましては大幅に拡充を図ってきたところでございます。
また、寝たっきり老人等に対しましては、佐賀市独自の起こせ事業といたしまして、2泊3日で介護者と寝たっきりの方が体験入所いたしまして、いろいろの介護者の研修等も行っておるところでございます。
さらに、身近なところで気軽に専門家による介護の相談、あるいは指導を受けることができるとともに、市役所の窓口に行かなくても必要なサービスが受けられるように、市内3ヵ所の特別養護老人ホームに
在宅介護支援センターを設けております。
また、先ほど
総務部長さんにいろいろとおっしゃられておったように、簡単な事柄はテレホンサービスをやっておるところでございます。このように福祉サービスを受けつつ、高齢者が可能な限り家庭や地域の中で生活できるよう在宅福祉サービスを重点的に進めております。寝たっきり老人や
痴呆性老人の介護に当たる家族の支援を積極的に推進しているところです。
また、今後の対策でございますが、さらに在宅3本柱を拡充、充実を図っていくとともに、老人福祉サービスをきめ細かく、一元的、計画的に提供していくために、現在、佐賀市で長寿社会基本計画を策定いたしておりますが、これとあわせ平成5年度には、それぞれの市町村で老人保健福祉計画を作成することになっておるわけでございます。
したがいまして、これらの計画筈に基づきまして、福祉施策事業をさらに展開してまいりたいというふうに考えております。
◎民生部長(井原輝)
ただいまの
ぼけ予防教室についてお答えをいたしたいと思います。民生部サイドからのこれに対応します具体的な事業について御説明をいたしたいと思います。
まず、高齢者の多くは、体が不自由になっても住みなれたところを離れたくないということで、自分の家に、自分の地域に住みたいということで希望されている方が多くございます。こういうことから、在宅老人の在宅生活を維持するためにはこれを支える介護をする家族の方々の支援が必要と考えております。
そういうことで、現在私どもで実施しております介護者への対策といたしましては、まず保健婦によります家庭訪問があります。これは
寝たきり老人だとか、それから、寝たきりが予測されます老人の介護者への指導を行うものでございまして、昨年延べ約700回程度の訪問指導を行っているところでございます。
それから次に、寝たきりや痴呆を防ぐためのものといたしまして、高齢者本人、それから家族のための、はつらつ教室というのを年3回開催をいたしております。また、これは保健所の事業として行っておりますものでございますけれども、在宅療養者看護教室というのが開かれておりまして、今年は市内の嘉瀬、それから若楠、循誘の3校区で、一般主婦を対象といたしまして行われることになっております。これに対しても、私どもその協力をいたしているところでございます。
それからさらに、本年新たに国保関係でヘルスパイオニアタウン事業の一環といたしまして、これまで社会課の方で行われていましたひとり暮らし老人触れ合いの集いというのがございます。これに一緒になって参加をいたしまして、さらにその事業の内容の充実を図ってもらうことといたしております。また、この集いの中でも、あわせまして老人の健康相談等も加えることといたしております。そういったことで、高齢者や介護者のための事業を今後も推し進めていきたいと考えております。以上でございます。
◎教育長(山田清人)
お答えを申し上げます。福祉の副読本の佐賀市版というようなことについてでございますけれども、議員さん御指摘のように、小学校の時代から福祉の心をしっかり育てていくということは、私も大変重要なことと受けとめております。そこで、お述べになったとおりでございます。
そこで、現在学校教育の中では道徳の時間に取り扱っているわけでございますけれども、小学校1年生より中学校まで、発達段階に応じまして高齢者への理解、あるいは尊敬、感謝の念といった、そういった福祉の心というようなことを、教育を行っております。これは、特に必修項目と我々の方では申しまして、必ず教えなければならないという項目の中の一つとして位置づけております。
また、中学校の社会科の分野では、これは公民でございますが、「社会保障と国民の福祉」という単元がありまして、そこでは社会保障の制度と現状、それから
高齢化社会と高齢者の福祉、それから三つ目に、社会福祉と私たちの生活というようなことで、高齢者を含めた社会福祉についての正しい理解、認識を深める指導を行っているところでございます。
ところで、福祉の心を育てる副読本の件でございますが、中村議員さんがよく御存じのとおり、佐賀県には佐賀県福祉協議会から発行されておりますところの「福祉の心」という副読本がありまして、小学校では5、6年に、それから中学校では全学年にそれを配布してもらっております。
それで、道徳の時間の取り扱いとのかかわりでございますが、この県版「福祉の心」に載せられている教材、これは読み物教材と読み物資料と言っているわけでございますが、道徳の副読本に載せられているところのこの読み物資料と、価値的にも内容的にも題材は違いますけれども、同じでございます。そのように思っております。
そこで、学校の現場では現在のところは、道徳の副読本を、やはり道徳の時間でございますから余計に取り扱っているというような現状でございます。それで、県版「福祉の心」は、これは自由読書というような形で教室の後ろに置いとったり図書館にも入れたりいたしまして、それを進めておるといった現状のようでございます。
したがいまして、今後は道徳の副読本とともに、議員さんが述べられましたような趣旨を十分に教育の中に生かし深めていくように、県版「福祉の心」もさらに活用していかなければならない、そのようにいたしたいと、このように思っておるところでございます。
で、佐賀市の福祉副読本は、それじゃどうするかというようなこともいろいろ考えてみましたが、御承知のとおり、学校で取り扱っている副読本類というのが今非常に多いわけでございます。ほかにも道徳の「郷土資料」とか、あるいは「わたしたちの郷土佐賀市」、あるいはまた偉人伝もつくったらどうかというようなことも言われておりますし、ごみの資料に関するようなこと、あるいは環境読本、それから銘木、古木等の佐賀市の読本等もつくったらどうかというふうなことで、いろいろな要望が出ておりまして、いずれもこれはもう大事な問題ばかりでございますけれども、子供の学習の受け入れといいますか、許容量というようなこと、あるいは端的には、この福祉読本につきましては福祉等関係方面とのかかわりなどもございますので、総合的に考えていかなければならないと、このように思っておりますので、福祉の副読本も含めまして、これらにつきまして、現在は勉強をさしてもらっているところでございますので、ひとつそのようなところで御了解いただきたいと、このように思っております。以上でございます。
◎
福祉事務所長(嶋栄)
大変失礼いたしました。2点目の介護者に対する相談窓口についての御答弁おくれまして本当、申しわけございません。
高齢者や介護者に対しましての悩み事や不安に対しては、家庭の介護者が大変お困りになっておるわけでございます。したがいまして、専門家による相談機関としては佐賀県のシルバー情報センター、いわゆるシルバー110番があります。また、社会福祉協議会、特別養護老人ホームには介護支援センターを設けておるところでございます。このほか福祉事務所や保健所のそれぞれの窓口等でも相談に応じておるところでございます。特に、今回は高齢者に対する専門の相談員を置くよう今議会にお願いもいたしておるところでございます。
しかし、市民に身近な市役所は相談数も多く、またその内容も、保健、医療、福祉、年金、就労、あるいは生きがい、家庭関係等の複雑で大変多岐にわたっておる心配事や悩み事の相談が大変多うございます。したがいまして、それぞれの分野別、個別的な対応となり、高齢者にとっては必ずしも利用しやすい窓口というようなことにはなっていないのが実情でございます。
このため、少なくとも保健、医療、福祉面については1ヵ所で総合的に対応できないか、窓口サービス向上のために、現在は関係部署と検討、研究をいたしておるところでございます。
◎
総務部長(野口健)
市民カードの導入についての御質問にお答え申し上げます。
市民カードの導入の全国的な先駆けは、出雲市の総合福祉カードの制度でございまして、行政のいろんなセクションで管理されている市民情報をコンピューターを使ってトータルでこれを管理し、医療支援や緊急支援、あるいは市民生活に活用していくという発想のもとに、総合福祉カードが実施されたようでございます。
これは1枚のICカードに血液型や血圧、病歴などの医療データ、老人手帳、年金手帳、保険証などに関する福祉行政データを打ち込んだものでございます。
さらに、この福祉カードを窓口行政サービスに活用し、住民票など諸証明の交付事務の簡素化、スピード化を図ったものとして、おっしゃいました大分県佐伯市で、本年6月からさいき市民ICカードシステムの導入がされているようでございます。
佐伯市の場合は、
高齢化社会と市民福祉に対応した新しいシステムとして、住民情報、福祉情報、健康情報等のデータを管理し、行政窓口、診療支援、健康管理、緊急支援などのサービスの四つの基本システムと、生きがい対策等の関連させたシステムでございまして、先ほど申し上げましたように、これを導入することによって、窓口業務の簡素化による市民サービスの向上を図るのがねらいで、将来は窓口まで足を運ばずに済むように、庁外に自動発行機を置いて、庁外でも交付できるよう考えていると、そういう計画のようでございます。
一方、本市といたしましても、来るべき週休2日制に対応する市民サービスといたしまして、先ほどお褒めの言葉をいただきまして恐縮しておりますが、さが・くらしのテレホンガイド・システムを導入し、行政情報を中心として市民生活に密接な関係のある情報の提供を始めたところでございます。さらには、カードによる住民票等の自動交付機を設置している先進都市がございますので、調査研究もいたしているところでございます。
いずれにいたしましても、市民意識の変化、市民生活の多様化などにより、市民の行政に対するニーズも変わってきておりますし、これに速やかに対応するためのシステムの変革は当然に必要でございまして、新しい機器等を利用した事務処理のあり方を検討する時期に今は来ているというふうに認識しております。
ICカード利用についても既に実施しております佐伯市とか、あるいは研究を進めている都市もあるようでございますので、職員を派遣し、そのシステム導入の方法、それから利用に当たっての問題点等を調査し、これが市民サービスにどのように寄与するのか、佐賀市内の考え方を進めてまいりたいというふうに考えております。
◎市長(西村正俊)
国の第2合同庁舎の建設に関連いたしまして、佐賀気象台の跡地があくわけであります。これは昭和63年であったと思いますけども、第2合同庁舎を現在の第1合同庁舎のすぐ東、気象台の跡地と、さらに県有地を含めた構想であったようでありますけども、地上7階建ての建物をつくるという計画が公表をされまして、市民皆さんの側から、あるいはこの議会におきましても、それが適当であるかどうかという御質疑も、御質問もあったように記憶をしておりますが、私どもといたしましては、ちょうど鯱ノ門の目の前であります、ただ、城内線の南側に位置しておりますので、直ちにという問題ではなかったのでありますけども、将来のあの周辺の整備の考え方からいたしまして、あの場所に7階建ての高層の建物ができるということは大変問題であろうということで、国の機関に御相談をいたしまして、市有地をお譲りするということで御相談をいたしまして、その結果、佐賀市のガス局の南の方の市有地を分譲するということにいたしたわけであります。したがいまして、気象台の跡地ができるわけであります。
それで、私どもはこの気象台の跡地はそういう目的のもとに、第2合同庁舎の場所を移転して、変えていただいた経緯もありますので、当然気象台の跡地についてお譲りいただくかどうかという御相談を直ちにお伺いしたわけでありますけども、ただいまのところでは、第1合同庁舎にお見えになる外来のお客さんの駐車場に大変困っているから、当面そのような使い方をしたいと。しかしながら、将来、市の方で具体的な周辺の整備構想が固まれば、そのときは御相談に応じましょうと。現在のところは、そういう御意向であります。
したがいまして、これは将来の問題になりますけれども、鯱ノ門周辺の整備構想が具体的に固まりまして、そして気象台跡地はこのようにして使いたいという方針が決まりますと、その時点で再度お願いをするということになろうかと思うのであります。
また、関連いたしまして、第2合同庁舎に移る機関の中に労働基準監督署、労働基準局、あるいは税務署等がございます。したがいまして、これらの国の機関の使用している土地もあくわけでありまして、そうなりますというと、国の方からは県並びに地元の地方公共団体である市に対しまして、その利用の意思があるかどうかというお尋ねは当然これは来ると思います。特に、労働基準局並びに監督署の用地につきましては、これは佐賀駅末次線にかかわる問題でありますので、移転後はそういった意味で、この用地についても国に対して御相談をしなきゃならないという問題も直ちに出てくるのであります。
このようにいたしまして、せっかく私どもの先輩が確保してくれました用地をわさわざ譲りまして、そして、あの気象台の跡地というのは、いわば守り得たわけでありますので、ただいまの御質問の御趣旨を体しながら、これからも全体の鯱ノ門周辺の整備構想の中に組み入れて計画を進めていきたいと、このように考えております。
◆(
中村薫議員)
2回目の質問をいたしますが、
寝たきり老人に関する質問でございますが、その前に
福祉事務所長、在宅、
寝たきり老人の数が先ほど316名というふうにおっしゃいましたけども、3月議会では529名というふうに御答弁なさっております。この二、三ヵ月の間で200名近い方がよくなられたのか、お亡くなりになられたのか、はっきりした数字をいま一度お示しいただきたいと思います。
2点目の相談窓口についてでございますが、人生経験豊かな市の職員のOBを相談員として考えておられるようで、それはそれで大いに結構なことだと思っております。しかし、いま一つ専門家の相談員も制度として取り入れていただきたいと、こう思うわけです。今、先ほどもおっしゃいましたように、専門の窓口としては3施設の支援センターがあるわけですけども、その前の段階として相談窓口が必要だと私は申し上げてるわけであります。
現在、専門的な相談は保健予防係で対応されているようですが、個々の善意による対応であり、窓口も民生部と福祉事務所に分かれており、端から端へ離れた不便な現状であります。もはやこれをシステム化して、専門家を含んだ専門の窓口を設置すべきと思います。
また、当市には優秀な保健婦の資格を持った方たちがおられます。この活用方法も、いま少し検討すべきではないでしょうか。例えば、予防接種等の事務業務等、専門外の仕事も多いように見受けられます。これを整理して、保健婦としての専門業務をやってもらえれば、もっと幅広く相談者への支援が重厚になると思いますが、この保健婦の方たちと高齢化対策室との協力で、専用の相談窓口はできないものかお伺いをいたします。
今、全国の自治体では、総合相談室を専門家を配置していろいろと工夫を凝らして、スタイルこそ違え、つくっております。それも介護者や家族がどこかに相談をしたい、助けてほしいという叫びが強いから、各自治体も独自で立ち上がっているわけであります。
例えば、福岡市では在宅ケア・ホットラインという専門の窓口をスタートさせております。保健所が中心になっておりますが、福祉事務所、医療機関等と協議し、具体的な治療や介護のケア計画を作成して、相談者の実情に合った、また専門的な知識がないまま家族だけで介護しようとして、結果的に寝かせっきりにしてしまうケースを未然に防止することも目的としております。今まで3区でやっていたのが余りにも好評だったので、6月より市内全区に枠を広げております。
また、大分県の佐伯市の場合、福祉110番という窓口を庁内に新設して、医師、保健婦、母子相談員の専門家が担当をしております。もちろん相談の内容を一般相談と専門相談とに分けて、一般相談には専属の職員が当たっております。専門家とは大変すばらしいもので、私たちの知らない知識を得ることができます。
例えば、床ずれはなぜ起こるか、それは栄養状態が悪いからだそうで、シャワーの圧力で患部を洗うとよいということも私は知りました。薬もいろいろで、1人1人違うそうであります。また、介護器具は870種もあるそうであります。その器具の選択も大変重要であるということです。
今後、当市においても専門家、すなわち医療機関の、特に医師の行政参加、手助けを呼びかけていく必要があると思いますが、この点、当局はどう考えておられるのかお伺いいたします。
さらには、
在宅介護の事業が申請主義であるため、市民は知らない方が多いわけでありまして、各種の事業メニューをどう使いこなせばよいかわかりません。こうした専門の窓口があればサービスの提供も拡大されます。介護用品の貸し出し、ヘルパーの派遣、ショートステイ等、支援サービスを知らないため、家族だけで介護しようとして、結果的にはお年寄りを寝かせっきりにしてしまうケースだって多いわけであります。専門の相談窓口があれば、デイ・サービスを初め専門の医療機関への紹介や諸福祉制度の活用等々、その人に合ったメニューでケア計画を立ててあげることができ、さらには寝かせっきり防止にもつながります。
また、老人福祉行政が福祉事務所、保険課など数課にまたがっており、複雑な用件だと庁内をたらい回しになることもあります。こうした不便も解消しなければなりません。形式だけのひとつ相談員を1人つくるのではなく、本格的に取り組める市民とのホットラインをつくるべきと思いますが、再度、当局の見解をお伺いいたします。
次に、これは
福祉事務所長になろうかと思いますが、3点目の
ぼけ予防教室についてでありますが、これは先ごろ県農協中央会が高齢者の生活実態調査を行った結果を見ましても、高齢化対策として、してほしいもののトップに健康教室の開催が上げられております。また、利用したい事業は託老所の設置と健康生きがいのための生活文化教室と、調査結果が出ております。農村部分でもこれほど高い要望があるわけですから、行政としても、もっと力を入れて健康とぼけを予防する事業を始めてほしいと思います。ここにも医療機関の専門医の行政参加が必要であります。
先ほど民生部長が少し述べられましたが、今年度から保健所が婦人会等に呼びかけて、二、三の公民館で在宅療養看護教室ということで、年に5回開催を計画されてはおりますが、やはり市として市民のニーズにこたえて、本格的にぼけ予防対策を考えていただきたいと思います。
さらには、ハイビジョンの設置が1階の市民ホールにできますし、1日の時間を決めて、予防、介護講座のビデオを作製して放映するとか、もっと積極的な行動はとれないものか、今後の見通しと、このことについて再度
福祉事務所長へお伺いをいたします。
次に、福祉副読本についてでありますが、現在ある社協や県から来ているものではなくて、
教育行政として生涯教育の立場から進めていただきたいと思います。子供たちに高齢者についての正しい理解を促すとともに、共感と連帯感を育てるということは、これからの社会に重要な意味を持つものと思います。他都市の調査もしていただいて、真剣なる御検討をお願いしたいと思います。
例えば、岐阜県羽島市の紹介をしておきますので、教育長、御意見をいただきたいと思います。
羽島市の場合、3種類の福祉副読本を小・中学校で学年別に活用できるようつくっております。注目すべきは、現場の教師が直接編集に携わっております。それだけに、内容も質の高いものとなっております。特に、障害者や高齢者の生活が家族の語りを通して紹介されているのを初め、老人ホームの訪問や奉仕活動の体験記などが趣向を凝らして盛り込まれております。また、写真をふんだんに取り入れた説明や点字の実物も連載されており、全編を通じて、助け合うことや思いやりの心の大切さを身近に考える教材となっております。児童・生徒がいつでもだれでも活用できるように、各学級文庫に備えつけられており、学級活動の時間などで使用していくとのことです。
当市においても生涯教育の一環として、こうしたことができないものか、教育長、感想なり、教育長が他の先進地に調査をしておられたら、あわせてお教えいただきたいと思います。
どうか福祉のノーマリゼーションの普及啓発を目指して、子供のころからの福祉意識を高めることが必要な時代を迎えているわけですから、
教育行政も心して立ち向かってほしいとお願いをしておきます。
最後に、総括して当局に一言申し上げておきたいんですが、過日の新聞記事に、老後は住み心地どこが一番かという
在宅介護サービス3本柱の県内市町村ベスト5とワースト5が戟っておりましたが、デイ・サービスに佐賀市がナンバー4に入っており、評価することができますが、ショートステイは県平均が3.9で、全国平均6.1より低く、ホームヘルパーは41.6と全国並みで、総じては全国の中位と報じております。高齢者の数は全国の上位を占めることを考えれば、もっと積極的な対応が必要であります。すなわち高齢者がぼけないよう予防する支援を行政が先頭に立って行うこと。そして、介護者の負担を和らげるため、もろもろの事業を国や県の下請としてやるのではなく、独自の工夫と知恵を出して行うことが必要だと思います。
他都市では在宅
痴呆性老人を支援する制度として会員制の情報バンクの設置をしている自治体もあります。もはや、社会福祉は遠くにあって思うものではありません。行政が責任を持って制度として社会につくり上げていく時代が来たことを認識していただきたいことを申し上げ、
在宅介護に関する質問を終わります。
次に、市民カードについてでありますが、
総務部長の御答弁、他都市の調査もよくひとつキャッチをしていただいており、大変力強く感じております。しかしながら、当市への導入となりますと、やっと認識を持っていただいたというところですので、やはり市長がその気になってもらわないと実現できないわけですから、再度、西村市長の市民サービスに対する基本的な考え方を含んで御所見をお伺いしたいと思います。
時代の変革を考えますと、今や役所も発想の転換をする時期ではないかと思います。土曜閉庁の実施、労働時間の短縮が叫ばれる今日、今までのやり方、考え方では市民サービスの低下は免れないのであります。市役所とは、文字どおり市民のお役に立っところであり、工夫の積み重ねがよりよいものをつくり出し、ひいては住民が誇れるまちになるのではないでしょうか。もはや地方行政は末端行政から先端行政への転換であります。国が決めたことを県が下請し、市が孫請する時代から、これからは地方行政が先頭を歩き、かじ取りを行う時代が来たことを市長は認識をしていただきたいと思います。
私は今、出雲市の岩國市長の行政の考え方に共鳴し、尊敬をしている一人ですが、もちろん西村市長も尊敬をしておりますが、その言葉の中に行政は最大のサービス産業という考え方があります。市長が市の職員に最初に話した言葉に、「出雲市の中で一番よい会社はどこかと聞かれたら、市民が出雲市役所ですと言ってくれる市役所にしてほしい。市民が役所に対して抱いていた暗い、冷たい、威張っている、不親切、怠けているという五つの悪いイメージから脱却しようと思った」と語ったと聞いております。この発想を土台にして数々の独自の行政サービスが生まれているのであります。
例えば、土曜閉庁、週休2日制に伴うものとして、行政窓口のサービスコーナーもその一つで、月曜から金曜日の間に証明書類の作成を市役所へ電話で申請しておけば、土曜、日曜に市内のショッピングセンターの一角に設置したコーナーで、住民票の写し、戸籍抄本、印鑑証明書、所得証明書等が買い物のついでに受け取ることができる制度であります。
横道にそれましたが、本題である総合市民カードも、出雲市が行政は最大のサービス産業なりとの発想からつくり出したものです。市民が喜べるサービスを一つ、また一つと積み上げることに行政は工夫と努力を行ってこそ、そのまちに愛着と誇りが生まれるものと思います。そして、市民が派手さはないが、行政の気配りが隅々まで行き届いていることに気づき、この佐賀のまちは住みたいところ日本一だと、改めて西村市政のすばらしさに拍手を送るのではないでしょうか。
この市民カードの導入について、市民サービスの一環として、市長はいかなるお考えをお持ちか御見解をお伺いしまして、私の質問を終わります。
◎
福祉事務所長(嶋栄)
ただいま御指摘いただきました数字の関係でございますが、たしか介護老人数は529名というふうに申し上げたと思います、前回は。その中に痴呆性が46名と、したがいまして、現在介護が必要である
寝たきり老人が316名というふうに理解していただきたいと思います。
それから、申請用紙等の関係でございますが、これは支援センターにおきましても、この申請用紙等を設置いたしております。その支援センターには協力員というような形で、20名から25名程度の民生委員さんを初め婦人会、郵便局、それから、特に高齢者が利用されるような商店の主人等を、この協力員として委嘱いたしております。そういう形で、近隣の方がいろいろ御相談申し上げたいこと等につきましては、この協力員さん等に一言お話ししていただければ、すぐいろいろな介護関係等についても御連絡がとれるようにいたしております。
それから、ぼけ予防とかショートステイ、ショートステイについては確かに御指摘のとおりいろいろとまだ施設が不足しておるというような状況にございます。この関係につきましても逐次解消していくように努めていきたいと思います。
それから、窓口関係でございますが、専門家を置く、例えば保健婦とか、そういう指導の専門家を置く窓口をというようなことでございます。この関係につきましては、先ほども申し上げましたように、とにかく保健、医療、福祉がとにかく連携を図らなければならないというようなことになるわけでございますので、今後、保健、医療、福祉情報のシステム確立と窓口の一元化を図るためには、現在計画いたしております保健福祉会館ができ上がれば、ここを一つの拠点といたしまして、そういう保健、医療、福祉の連携を強化したいというようなことで進めていきたいというふうに思っております。
◎教育長(山田清人)
中村議員さんの福祉連帯は子供の心からということでございまして、もうごもっともであると思います。それで、今、道徳、社会というようなことを主に申し上げましたけれども、やはりこれは全教科、あるいは教育全体の中で取り扱い、養っていかなければならないと思っておりまして、さらに、御説のとおり生涯学習としてこれは位置づけて、そしてやっていかなければならないと。御説のとおりであると私も思っております。
それで今度、岐阜県の羽島市の大変すぐれた副読本も今紹介ございましたけれども、私、不勉強でそんなのを見ておりませんけれども、取り寄せて研究いたしたいと思います。
それから、県版のさっき申しました福祉読本の中のこの編集者は、佐賀市の先生方もたくさんこの中に入っておられまして、現場の先生も多数入っておられるわけでございまして、やはりこういうふうなものは、どうしても現場のそういった先生方のいろんな知恵をからなければいけないと、そのようにも思っております。そういうことでひとつ、今後、さっき申しましたようにひとつ勉強をさしていただきたい、このように思います。
◎市長(西村正俊)
市民カードの問題についてのお尋ねでありましたので、お答えいたしたいと思います。
今、御指摘がありました、あるいは事例として挙げられました出雲市、あるいは佐伯市でありますけども、出雲市の市長さんはたくさん本を書かれますので、大変有名になられた市長さんであります。市役所というのは総合的なサービス産業という言葉も、かつては神戸市の市長さんは市の行政というのは、これは経営でなくちゃいけないと、こういうことを盛んに言われまして有名になられたのでありますけども、その辺の感覚は、あくまでもコストを重視しながらも、しかし、市民のためになる仕事をするのが市役所であるという、その1点については変わりがないわけであります。
私も市長就任以来、市民皆さんとともにということを申し上げておりますけども、これはあくまで市民皆さんと一緒に、このまちはつくっていくのだということと、そのまちづくりは、その結果は、その効果は市民皆さんが享受をするのだという意味があるのであります。市役所はそのためにあるのでありまして、私も全くただいまの御意見に同感であります。
さて、市民カードの問題につきましては、既に調査を始めるように、このたびの予算の中におきましても、最初は調査でありますので、そう大きな金でありませんけども、計上さしていただいて、御審議を賜るようになっておりますが、調査をやりまして、どのような中身をカードの中に詰めていくか、これが大変問題であります。佐伯市の場合も、システムの構築のために2億とか3億とか、3億でございましたか、金がかかったということでありますけども、これはやっぱり専門家に頼まなければどうにもならないわけでありますので、その中身を、どういう中身を詰めるかというのが大変今重要であります。医療が大事なのか、福祉が大事なのか、医療も福祉も大事、そいじゃ二つとも詰めよう、もちろん市民の権利、義務に直接かかわりのある問題も中に入れようじゃないか、いろんな要望というのが出てくるのであります。それを選択しながらICカードの中に詰めていくということになるわけでありますが、この仕事につきましては、これは自治省も支援する、財政的な支援をするということにしているようでありますので、そういう制度を財政的には、財源的には利用しながら、システムの構築を早く進めていきたいと思っているわけであります。
また、例えば郵便局あたりも、市民の皆さんから市役所への取り次ぎの事務と申しますか、特に市民皆さんのためのいろんな証明の問題等、そういう取り次ぎの仕事もしようという申し出もあっておりますし、そういう機関をどのように活用していくかということも、これからの課題になってくるでありましょうし、いずれにいたしましても、市民皆さんができるだけ手早く自分の意思を市役所に伝え、そして伝えられた意思が直ちにはね返るようなシステムをつくる、そういう仕事をしていくということが、これから大変大切な問題であろうと、このように私も考えているところであります。
◆(森裕一議員)
通告に従いまして、2点について市当局側の考え方を聞かしていただきたいと思っております。
最初の1点目の可燃物ごみの有効活用についてでありますが、まず、前段に清掃工場の余熱の有効利用についてということで、全体的な国の考え方、また、厚生省の考え方などについて話をさしていただきます。
政府は、平成2年10月23日に地球環境保全に関する閣議決定をされております。地球温暖化防止行動計画の決定でありますけど、その中で講ずべき対策といたしまして、「地下鉄排熱、下水排熱等の都市活動に伴う低温排熱や川や海等の持つエネルギーをヒートポンプによって冷暖房等の熱源として利用するとともに、これらを活用した地域熱供給システム等を普及促進するとし、また、廃棄物の焼却処理に伴う余熱の供給、発電、下水汚濁の利用等を積極的に推進し、あわせてごみの輸送、上下水道関連施設等に要する、エネルギーの利用の効率化を図る必要が重要である」と、行動計画の中にまとめられています。
一方、厚生省は従来から省エネ、省資源の観点から、未利用エネルギーの利用を促進しており、廃棄物処理施設整備国庫補助金では、熱及び温水供給設備、発電設備等の余熱利用設備についても、ごみ処理施設の一部として国庫補助の対象としています。
また、ごみ焼却余熱エネルギーの総合的な推進方策を定めるために、昨年の7月に、ごみ焼却施設における余熱の有効利用に関する
検討委員会、座長は千葉工業大学の教授であります平山直道が座長になっておりますが、設置をされ、ごみ焼却余熱の利用の状況、将来予測、効果分析を行い、余熱利用の基本方針が策定をされています。この策定された基本方針の中で、ごみ焼却余熱利用の効果として、次の4項目が掲げられています。
1点目は、ごみ焼却施設を整備する上では、周辺住民の方々の理解を得ることが重要であり、ごみの焼却余熱を利用した周辺環境整備を進めることにより、地域アメニティーを向上させ、ごみ焼却施設が地域の住民の方々に受け入れやすいものになるごみ焼却施設整備促進効果。2点目としましては、自家発電電力の売却収入によることにより、結果的にごみ処理コストが軽減される経済効果。3点目はごみを焼却した発電により、電力会社の発電燃料の消費が減少し、CO2 の排出が抑制される環境保全効果。4点目は、ごみの保有する潜在的エネルギーは膨大であり、7.7×10の13乗キロカロリーリットルあります。が焼却処理によって、その60%がエネルギーとして回収されたとすると、原油換箕で我が国の消費量の約12日分となります。すなわち省資源効果となります。
以上、4項目の効果が出てくるわけですが、これらの効果をかんがみたときに、厚生省としては、次の基本方針で余熱利用の推進をするとしています。
減量化した上で、なお排出される焼却に適したごみについては、埋立処分における安定化と最大限の減量化を図る見地から、これを焼却によって処理し、焼却に伴って発生する余熱を最大限回収し、有効利用することが必要であります。また、ごみの適正な処理を行う過程で、地域におけるエネルギー源としての役割を積極的に果たすためには、ごみ焼却施設本来の機能が損なわれるものでないこと、地域のニーズを踏まえた余熱利用が図られること、余熱利用促進体制の整備を図ること、効果的な余熱利用を推進するために関係方面との連携を強化すること、最大限効率的な余熱利用が図られること、効率的な余熱利用技術の開発を促進することなどを基本としての施策の展開が図られる必要があると厚生省は考え、また指導を行ってるところでございます。
若干前置きが長くなりましたが、私の質問のごみ焼却発電設備の実態でありますが、日本国内の余熱利用の状況を見てみますと、これまでは、ごみ焼却施設からの余熱については、温水、蒸気、電力の型で主として施設内において、その利用が図られてきましたが、近年ではごみの発熱量が上がってきているとともに、余熱の利用にまつわる技術も進んできていることから、施設の外部へも積極的にその供給がなされてきています。
今日、24時間運転の全連続式焼却炉における施設外への給熱は、給油、冷暖房、温水プール等に対して行われており、発電については、ごみ焼却施設や近隣の他の公共施設への利用のほか、電力会社に売電しているところが数多く見受けられます。